バンクーバーで仕事探しをしていた頃、よく周りで聞いたのが日本食レストランかカフェで働くという選択肢でした。
でも私は接客があまり得意ではなく、英語にもそこまで自信がなかったので、たまたま見つけたホテルの清掃(ハウスキーパーまたはルームアテンダントとも言う)の仕事を始めることに。

正直、最初は「ホテルの掃除ってかなりきつそう…」と思っていました。
実際に働いてみると、体力的に大変なことも多かったですが、チップがもらえたり、休みの融通がきいたり、多国籍な同僚に囲まれて働けたりと、意外なメリットもたくさんありました。
気づけば、小規模ホテルとダウンタウンの大型ホテルで約2年間働いていました。
今回は、バンクーバーでホテル清掃の仕事をして感じたリアルな体験談をまとめます。これからカナダで働きたい人の参考になれば嬉しいです。
バンクーバーのホテル清掃の仕事内容
- ベッドメイク(ソファベッドも)
- バスルーム掃除
- (あればキッチン掃除と食器洗い)
- タオル交換
- アメニティ補充(ローション、シャンプー、コーヒーなど)
- ゴミ回収
- 埃払い・掃除機
1部屋あたり何分くらいか
基本的にホテル清掃は一人で全ての部屋を回ります。よく言えば自分のペースで集中して仕事ができる。悪く言えば、成果主義なので時間がかかってしまうと全て自分の負担になります。
もちろん部屋の大きさ、ベッドの数によりますが、一部屋にかかる清掃時間は平均で、チェックアウトの部屋で40分ほど、ステイオーバー(まだお客さんが泊まっている状態)は20分ほどで掃除をします。
ただし、部屋によっては家族連れでとても汚れている部屋、1部屋にベッドが3台以上ある部屋などはさらに時間がかかってしまうので、時間配分が重要になります。
ものすごく汚れていたり、設備の修理が必要なときは適宜ハウスキーピングオフィスに連絡して、応援を頼んだり、施設修繕スタッフの要請をします。
1日の担当部屋数
私は、大きなホテルと、小規模ホテルの2箇所で仕事をしていました。
小規模ホテル
小規模ホテルはアメニティが少なく、部屋もシンプルな構造なので、1日にMax16部屋。もし、DND(do not disturbの略でゲストが部屋掃除不要の意思表示をすること)があった場合は1日8時間のシフトのうちマイナス30分されてしまうというルールでした😭
つまり雨の日などのお客さんが外に出ず、部屋に留まる可能性が多い日は、部屋の掃除を希望しないゲストが多く、勤務時間が減ってしまう可能性もあります。せっかく出勤しても1日4時間しか働かせてもらえないこともありました😅
ホテルによると思いますが、非常に理不尽でコスパの悪い働き方です。
大規模ホテル
私の働いていた大規模ホテルは特殊で、部屋のグレードに関わらず全ての部屋にソファーベッドとキッチンが備え付けてある部屋でした。その分、ベッド数が多いですし、キッチンには使われた食器や調理器具があるので、お掃除がとても大変です。
1日の担当部屋数は基本的に13部屋です。
よっぽどのことがない限り、毎回1日8時間働くことができますが、DNDの部屋が多い場合は、他の部屋を担当することになり、元々の受け持ちの部屋とは遠い部屋まで移動しないといけなくなることもあり、負担が増えました。

DNDがある場合、その分時間に追われてしまうので、大変になりますし、本部とのやりとりが発生するので時間のロスが大きくなります。ホテルの方針にもよりますが、私の経験したホテルでは常に激務でした。
毎日座る暇なく動き回るので、慣れるまでは背中の痛みや体力消耗できつかったです。
体力的にきつい?やりがいはある?
結論から言うと、体力的にはかなりきつい仕事です。
特に週3日程度のパートタイムで働いていた時はそこまで問題ありませんでしたが、週5日のフルタイムに近い働き方になってからはかなり大変でした。
ホテル清掃は基本的に朝が早く、出勤時間も早めです。私は当時、学校との両立やダブルワークもしていた時期があり、毎日の早起きと肉体労働でかなり疲れが溜まっていました。実際、毎月のように風邪をひいていた時期もあります。
仕事内容も想像以上に体を使います。
1日に何部屋もこなすため、スピード重視で「丁寧さ」だけではなく、いかに効率よく終わらせるかも求められます。そのため、体力だけではなく頭もかなり使います。
「この順番で掃除した方が早い」
「この部屋は先に終わらせよう」
など、常に効率を考えながら動いていました。
さらに、時には宿泊客から急なお願いをされることもあります。
- タオルを追加で欲しい
- アメニティを持ってきてほしい
- チェックアウト時間について聞かれる

こういった場面では最低限の英語力も必要でした。ただ、お客さんとのちょっとした会話が楽しいこともありました。
一方で、大変だったのは体力面だけではありません。
腰痛や膝に不安がある人はかなりきついと思いますし、洗剤を使うので手荒れがひどくなることもありました。
また、基本的には毎日同じ作業の繰り返しなので、単調さを感じることもあります。さらに時々、本当に驚くほど部屋を汚していく宿泊客もいます。
床にガムを貼り付けていたり、信じられないくらい散らかった部屋に当たると、正直かなり気分が下がりました…。
とはいえ、私の職場には70代でも現役で働いているスタッフもいました。コツを掴めば効率よく動けるようになりますし、慣れてくると「ちょっとした筋トレみたい」と感じることもありました。
私はもともと体を動かすことが好きだったので、きついと思いながらも意外と楽しんで働けていた部分もあります。
体力勝負な仕事ではありますが、黙々と作業するのが好きな人や、体を動かす仕事が好きな人には意外と向いているかもしれません。
チップはどれくらいもらえる?
- 1日0ドルの日もある
- 多い日は1日20〜50ドル
- 長期滞在客からもらいやすい
- アメリカ人は気前がいい
- ホリデーシーズンは増える
- 外国のお金を置いて行く人もいるので両替がちょっと大変
特筆しておきたいのは、毎日もらえるわけではないということです。
グレードが高いホテルはもっともらえるかもしれないですが、私が働いていたホテルは3ツ星の一般的なホテル。特に時期的にアメリカの不景気の影響を多く受け、ほとんどの部屋がチップ無しという状態が続くことが多かったです。
基本的にチップは、お客さんが部屋のベッドやサイドテーブルに現金でお金を置いていってくれます。カナダは日本よりキャッシュレスが進んでいるので、特に若い人はチップを置いていってくれないことが多かった印象です。
しかし、比較的夏のハイシーズンなどは気前よくお金を置いて行ってくれる観光客もいて、なんと1部屋で80ドルものチップを置いていってくれたお客さんもいました。

チップは基本的に部屋の掃除をする清掃員が一人でもらうことができます(税金はかかりません)
特に夏場は、基本的にチップだけで食費が賄えました🎵
飲食店やお酒を出すお店の方がチップの量はずっと多いと思います。
しかし、飲食店のウェイターは最低賃金で働いていることが多いのに対し、ホテルの清掃員は基本的に定時帰り(24時間体制のところを除けば基本的に午後4〜6時には退勤)ですし、時給が25ドル〜30ドルと他のパートタイムの職種に比べて良いことが多いので、効率よく稼げる方ではないかなと思います。
カナダでは使えないチップが置かれていることも…両替のコツ!
チップを置いていってくれるのはありがたいですが、中にはカナダでは使えないお金を置いていかれる人もいます。
特に、チップ文化が強いアメリカ人はチップをよく置いてくれるのですが、カナダのお金ではなくアメリカ紙幣や硬貨を置く人が多いです。どこの国のお金かもわからない外貨を置いていかれることもあります😅
そういうときは、ダウンタウンか、メトロタウンにあるVBCE (Vancouver Bullion & Currency Exchange)で両替をするのがおすすめです。信頼度が高く、紙幣だけでなくアメリカの硬貨もカナダドルや日本円に両替してくれるので助かります(ただし日本の硬貨は置かれていなかったので注意です)!
また、カナダではもう使えなくなっている、1セント硬貨を置いていかれる人もいました。
1セント硬貨は一般のお買い物では使えませんが、銀行に持って行くと、自分の銀行口座に電子で入れてくれる可能性があるので、何かのついでに持って行くと良いかもしれません。

意外と多く遭遇するアメリカ紙幣。
アメリカ紙幣をホテルで働きながら2年間コツコツ貯めて、一気に日本円に両替したら、なんと10万円以上になっていました!!
バカにならない、Lost And Found!!
え、なにそれ?と思う方もいると思います。簡単に言うと、宿泊客がホテルの部屋に忘れていった私物のことです。
お客さんが気づいて戻ってきたり、希望があれば郵送することもあるので、数ヶ月はホテルで保存するのですが、一定期間過ぎると、ゲストの忘れ物は見つけた清掃員がもらえるルールになっていました(笑)

食べ物やシャンプーなどの日用品の忘れ物は見つけたスタッフがその日に持って帰っていいルールになっていました!
野菜や調味料、未開封のスナックやドリンクなどの忘れ物が日常的にあるので、意外と食費が助かるシステムでした!!
今まで手に入れたお忘れ物
- ソフトドリンク・アルコール類・スナック
- 宝石・アクセサリー類
- バッグ、靴など
- Tシャツ、ジャケット、パジャマ
- 英語の小説
- 充電器、ヘッドホンなどの電子機器
- パズル、チェスボードなどのおもちゃ
本物かは分かりませんが、石が入った指輪を忘れていったお客さんもいました😅
状態のいい洋服やバッグ、電子機器などがあると、清掃員たちは持ち帰り、FacebookのMarketplace(ジモティーのようなサイト)で売って、お小遣いにします^^


気に入ったデザインのジャケットやヘッドホンなどは普通に自分が使っています(笑)。
その他、使わないけど状態が良く売れそうなものはMarketplaceで売ってお小遣いにしていました。チェスボード、ワンピース、ジャケットなどなど。
ちょっと意外な忘れ物もあったりして、面白かったです^^
小規模ホテル vs 大型ホテルの違い
私は小規模ホテル(全60室ほど)と大規模ホテル(全300室ほど)の両方で働いていて、以下のような違いがあると感じました。

よりのびのびと仕事できるのが小規模ホテル。
ただし、ルールがしっかりしている大規模ホテルの方が不公平感が少なく、勤務時間はしっかり働かせてくれるので納得感があるかもしれません。
雰囲気の違い
雰囲気ですが、まずは小規模ホテルの方がアットホームでプレッシャーが少ない印象でした。
ただ、少ない人数で回しているので、物品の補充やタオルを畳んだりなどの一人一人は行う業務の範囲が多い印象でした。小規模ホテルの方が自由度が高く、仕事が早く終わればのんびりできることが多いですし、自分のペースで働くことができます(勤務時間中にお菓子食べたり長電話している同僚もいました😂)。
対して、大規模ホテルは規模が大きいため分業制で、よりチームワークの連携が必要とされる場面がありました。仕事が早く終われば遅延している他のスタッフの手伝いに行くこともあります。人数も多く気を使う場面が多いですし、よりルールがしっかりしている印象です。
給与面・福利厚生面
小規模ホテルのメリットしては人数が少ない分、上司に気に入られるとでより業務を任せてもらえることです。ただし、上司の機嫌次第で振り回されてしまうことも。。。上司の意向次第で理不尽な働き方になってしまうこともあります。
また、小規模のホテルだと少ない人数でシフトを組んでいるので他の従業員が旅行中は自由に休みは取れません。
対して、大規模ホテルはよりルールがしっかりしていて、給与も順当に上がって行くイメージでした。大規模なクリスマスパーティや従業員のクリスマスパーティなどのイベントもありました。シフトの面では、従業員の人数が多いため長期休暇や急な休み希望もわりと対応してもらえます。
同僚はどんな人が多い?
- フィリピン移民が多数
- ついで中国系、東欧系、ラテンアメリカ系…留学生も少しいる
- 職場の雰囲気は優しく家庭的
- 仕事柄、平均年齢は高め。でも学生も少しいる。
もともと、バンクーバーには移民が多いこともあり、私の働いていたホテルでは従業員のほぼ100%が移民でした。特に多いのがフィリピン人と中国人で、7割ほど占められます。
もともと移民が多いため、完璧な英語は求められませんし、英語力に不安があっても基本的には黙々と掃除をする仕事なので問題ありません。

私が働いていたホテルでは日本人が私だけでした。他の従業員もアジア系ばかりですし、気さくに話しかけてくれる人が多かったので、人間関係はとてもよかったです。
また、職場全体の平均年齢は比較的高めで、落ち着いた雰囲気がありました。優しい人が多く、忙しい時にはお互いに手伝い合う文化があり、アットホームで働きやすい環境だったと思います。
また、カナダの職場は日本のような強い上下関係を感じることがあまりありませんでした。比較的フラットな人間関係なので、マネージャーや役職者のこともファーストネームで呼ぶのが普通です。
堅苦しい上下関係に縛られることなく、のびのび働けたのは個人的にとても良かったポイントでした。
バンクーバーのホテルで働くデメリット
(重要!)冬のホテル仕事はシフトが全く無くなる!!
バンクーバーは冬の間雨ばかり降っています。そのため、夏の繁忙期に比べ、シフトの数は半分以下になります!
- 観光オフシーズンでシフト減少
- 部屋稼働率低下
- 収入が不安定になる
なので、パートは特に冬の間(特に11月から2月まで)は収入がゼロに近くなることも!
そのため、冬場はハウスキーパーは長期休みを取って、自国に帰省する人や、一般家庭のハウスキーパーなどその他の副業をする人が多かったです。
また、失業ではなくても、冬季に著しく収入が減る場合は、EI(雇用保険)から補助金が出るので、生活の足しにしていました。

バンクーバーでのサービス業は冬場に仕事が減ってしまうこと多いです。雇用保険からの援助をもらえることを知っておくと良いでしょう。
私は冬の間、ベビーシッターの仕事を時々したり、旅行に行ったりしていました。ただし、カナダ国外にいる間はEIの補助金が止められてしまうので要注意です!!
シフトが安定しない問題
- 急なシフト変更
- オンコールが多い
- 急に休み
- 稼働率次第
→予定が立てにくい!
ホテルの仕事は掃除をする部屋数によって配置される人数が変わります。
急に部屋の予約客が増えたり、同僚が急病で出勤不可になってしまうことはよくあることなので、朝早く(朝5時くらい)に電話がかかってきて急に仕事に呼び出されることも日常茶飯事です。
急に仕事のシフトを入れられることもあれば、急にシフトが休みになることもあります。
そのため予定が立てにくく、朝早くに電話が来ないか怯える日もありました😅
※ちなみに私が働いていたホテルはどこもオンコール対応への手当はゼロでした(涙)
フルタイムになるまで時間がかかる
もちろん、タイミングよくいきなりフルタイムとして働くことができる人もいます。しかし、基本的にホテルの清掃員はパートタイムからスタートとなることが多いです。
- 最初はオンコール
- パートタイムスタート
- seniorityが重要
- フルタイムは空き待ち
「すぐ安定収入は難しい」
小規模ホテルであれば、上司に気に入られればすぐにフルタイムに近いシフトを入れてもらえることもあるかもしれませんが、大規模ホテルだと最初の1年はずっとパートとして働き、勤続期間が長い人からフルタイムに切り替えてもらえるシステムになっていることが多いです。
結論:ホテル清掃はこんな人におすすめ
実際に約2年間、バンクーバーでホテル清掃の仕事をして感じたのは、人によってかなり向き・不向きが分かれる仕事だということです。
正直、楽な仕事ではありません。
体力は使いますし、シフトが安定しないことも多く、繁忙期はかなり忙しくなります。フルタイムになるまで時間がかかることも多いため、「すぐに安定した収入が欲しい」という人には少し向かないかもしれません。
向いてる人
- 英語初心者
- コツコツ作業好き
- 接客苦手
- 学業優先したい(学生向き)
向いてない人
- 体力に自信ない
- 手荒れが心配
- 毎月固定収入欲しい
- 土日絶対休みたい
学生にはかなり相性が良い仕事!
個人的には、学生にはかなり相性が良い仕事だと感じました。
- 休み希望が出しやすい
- ホテルは基本的に土日、祝日に人手が欲しい
- 授業との両立がしやすい
- 比較的採用されやすい
というメリットがあります。
私も学生の時からホテルの清掃の仕事をしていました。もちろん最低限のコミュニケーションは必要ですが、英語初心者でも比較的挑戦しやすい仕事ですし、ホテルに相談すれば、朝働いて午後に学校の授業を受けるなど、柔軟性に働き方をアレンジすることができました。
また、職場には移民や留学生など、さまざまな国籍の人がいて、多文化環境を経験できるのも魅力でした。
まとめ。
正直、ホテル清掃は決して楽な仕事ではありませんでした。
体力的にきつい日もありましたし、シフトが安定せず不安になることもありました。汚れた部屋を掃除して気分が落ち込む日もあれば、朝早い出勤が辛い日もありました。
それでも、チップをもらえた時の嬉しさや、多国籍な同僚たちと働いた経験、お客さんとのちょっとした交流など、この仕事を通して得られた経験はとても大きかったと思います。
英語に自信がなかった私でも働くことができたので、バンクーバーで仕事探しをしている人にとって、ホテル清掃は意外と現実的な選択肢の一つかもしれません。
「カナダで働いてみたいけど、何から始めればいいかわからない」
そんな人は、ぜひホテルの仕事も候補のひとつとして考えてみてください。思っていたより、自分に合う仕事かもしれません。
今回はここまで🌸

それではまた!
sunoでした


コメント